当社が建てる家は、全棟全館空調システムと床下エアコンの組み合わせを採用しています。これにより、エアコン1〜2台で夏も冬も全部屋快適な室温に保てる家に仕上がります。
このページでは高性能で快適な家づくりをお考えのお施主様必見の「床下エアコン」のメリットと、運用する上で知っておきたい注意点について詳しく解説します。
床下エアコンとは
床下エアコンとは、床や壁の中にエアコンを設置し、家中の冷暖房を行うシステムのことを指します。
床下空間は地面に近く、一日の間でも外気温に左右されずに温度が安定しています。この安定した空間の温度を調整することで、冬は足元からの暖房で心地よく温かく、夏は涼しく快適に過ごせる家が出来上がります。
通常の家庭用エアコンは、上から吹き付ける風で床までの温度が均一にならない、埃の舞い上がり、エアコンの風が直接身体に当たることによる不快感、インテリアデザインの妨げ、といったデメリットがありますが、床下エアコンを採用することでこれらを解決できます。
床下エアコン導入で得られる主なメリット
部屋全体を常に快適に保つことができる床下エアコンには、様々なメリットがあります。
メリット1 家じゅう全ての部屋を冷暖房できる
床下エアコン導入の一番のメリットは、家の中のすべての部屋をひとまとめに冷暖房できることです。
通常の家庭用エアコンは特定の部屋やエリアを冷暖房するために設置されますが、床下エアコンは設置した部屋だけでなく、廊下・お風呂・トイレなども含めた家全体を均一に冷暖房することができます。
どの部屋にいても快適な室温で過ごすことができるため、家の中で温度差を気にする必要がなくなり、急激な寒暖差で起こる心臓への負担(ヒートショック)や、暑さ寒さによる家の中の移動が億劫に感じることがなくなることも大きなメリットでしょう。
メリット2 風が肌に直接当たらない
床下エアコンは、その仕組みから風が直接肌に当たらないため、快適な住環境を維持できることもメリットの一つです。
通常のエアコンは部屋の上部に設置され、冷暖房を行う際に風が直接肌に当たることがあります。 これに対して、床下エアコンは床下や壁の中に設置し、床下からの放射熱を利用して家全体の冷暖房を行うため、風が肌に直接当たることなく快適に過ごせます。
エアコンの風による肌・目・喉の乾燥に不快感を覚える方、寒暖差を感じにくくエアコン利用のタイミングが掴みにくいご高齢の方、昼夜の寒暖差で喘息発作や風邪など体調不良になりやすい方には、ぜひ導入を検討して欲しいシステムです。
メリット3 床暖房導入よりも安い初期投資額
床暖房などの他の暖房方式に比べ初期投資を安く抑えられる点も、床下エアコンのメリットの一つと言えます。
一般的な床暖房を導入する場合、床材・暖房パイプ・制御システムなどの複雑な設備が必要となり、それに伴う工事費用や材料費がかさみます。
一方、床下エアコンはエアコンユニットを床下に設置するだけで済み、設備の簡略化により初期費用の削減が可能。
また床下エアコンを導入すると、引渡し後も各部屋に壁掛けエアコンを設置する必要がなくなるため、エアコン本体の購入や取り付け費用、配管工事の費用を省くことができます。
メリット4 電気代が節約できる
床下エアコンを導入すると部屋ごとにエアコンを運転する必要がなくなり、冷暖房にかかる電気代を削減できます。
真夏の猛暑日、間取りによってはエアコン2台稼働を推奨することもありますが、一般的な二階建て住宅であれば、床下エアコン1台の稼働で365日家全体の室温を快適に保つことができます。
一般的な戸建て住宅では、家の各部屋にエアコンを設置して個別に使用するため、電気代が高額になることがあります。
これに対して、床下エアコンは一台のエアコンで家全体を調整するため、無駄な電力消費を抑えることが可能です。
電気代を気にせずに常に快適な室内環境を楽しむことができるのも、床下エアコンのメリットの一つです。
メリット5 空間デザインに制約がない
床下エアコンは、その名の通り床下に設置するため、壁や天井にエアコンユニットを設置する必要がありません。
生活感溢れがちなエアコンが壁がないので、海外ドラマに出てくるフラットのような、おしゃれなインテリアデザインを追い求めることも可能になります。
各部屋のエアコンの配置を考えなくて良いので、吹き抜け空間や利便性の高い家事動線など、ご希望する間取りが実現しやすくなります。
床下エアコンを快適に運用するために知っておきたいこと
床下エアコンを快適に運用するには、必要な対策がいくつかあります。
まず大前提として高気密高断熱の住宅であること。それに加え、結露対策・シロアリ対策・効果的な換気計画も、床下エアコンの性能を十分に発揮するためには不可欠となります。
対策1 高い断熱性能
断熱性能が不十分な家は、壁・床・窓から伝わってくる外部気温による影響で、室内の温度を一定に保つことが難しくなります。 また、外気温と室内温度の差が大きいことは、結露発生リスクにも繋がります。
当社の建てる家は、全棟外張り断熱と充填断熱を組み合わせたW断熱住宅。建物外部には高性能なパネル状の断熱材を隙間なく配置し、壁内にも現場で発泡させる断熱材を充填しています。
こうすることで、建物外部と内部の両方から断熱性を向上させ、外部からの熱の侵入や逃げを効果的に防ぎます。
また当社の建物は「UA値」が0.28〜0.30という優れた断熱性能を持っています。
この値は北海道の省エネ基準である「0.46以下」を大幅に下回っており、建物内の熱を非常に効果的に保持することを表しています。
家の断熱性能を表す際「UA値」という言葉がよく出てきます。UA値とは、建物の外皮(屋根・外壁・床・窓など、建物内部と外部を分ける部分)全体での平均熱貫流率を示す指標のことを指します。外皮平均熱還流率(UA値)が低いほど、建物内の熱が外部に逃げにくく、優れた断熱性を持つ建物といえます。
対策2 高い気密性能
気密性能とは、家の中に多数存在する隙間を様々な方法で減らし、室内の空気を屋外とできる限り分断する性能のことを指します。
高い気密性能は、床下エアコンを効果的に活用するために欠かせない要素です。 気密性能が低いと、床下エアコンで調整された室内の空気が、家の隙間から建物外部に逃げやすくなるからです。
高気密住宅を確実に提供するため、当社ではお施主様お立会いのもと、全棟にわたる気密測定(家にどれくらい隙間があるのかを測定する検査)を行っています。
一般的な住宅の気密性能を示す指標「C値」は通常3.0〜5.0程度ですが、当社の建物は平均して0.1から0. 2という低い数値を誇ります。
この数値は、一軒家の中にある全ての隙間をかき集めても、カード半分程度のサイズ相当しかないということを示しています。
建物内の隙間面積を延床面積で割った数値です。C値が小さいほど気密性能が高く、建物内の空気が外部に漏れにくいことを示します。
対策3 結露対策
家の床下は、非常に結露が発生しやすい場所です。そして結露はカビ・ダニ・シロアリ発生の誘因になります。
床下エアコンは、文字通り家の床下にエアコンを設置して、その風を家全体に送るシステム。もし床下に結露が起きてカビ・ダニが発生してしまうと、様々な健康被害を引き起こす物質が、床下エアコンの風によって家全体にばら撒かれてしまいます。 こういった事態を避けるため、床下エアコンを導入する家では結露対策を万全にする必要があります。
結露は、温かく湿った空気が急激に冷やされ、その空気の中の水蒸気が水滴になることで発生します。家の中に結露を発生させないためには、例えば魔法瓶のように外と内の温度を伝えさせない高い断熱性能と気密性能が必要となります。
当社では、結露が発生しやすい床下基礎部分の外側と内側の両方にパネル状の断熱材を貼って断熱性能を高めています。
また冬の結露が気になる窓には高性能な樹脂製トリプルガラスのサッシを使用することで、断熱性能と気密性能を高め、室内の結露発生も防いでいます。
対策4 シロアリ対策
木造住宅の床下は通常、暗く・暖かく・湿気が多い環境のため、シロアリにとって好都合な場所になっています。
暗さと暖かさは対策が難しいため、シロアリの被害を未然に防ぐためには湿気対策が重要です。 湿気対策については、前述の結露対策がシロアリ対策にもつながります。
シロアリは細かい隙間から侵入することがありますので、建物全体の気密性能を確保することも大切です。気密性能を向上させることで、シロアリの侵入を防ぐバリアを作ります。
さらに、湿気のこもりやすい場所を換気する計画も必要です。湿気を含む空気が1箇所に留まらないようにすることで、シロアリの生息を防ぎます。当社では建築中も床下に換気装置を設置し、常に徹底的な換気を行っています。
当社の家は、シロアリ対策として防蟻基礎外断熱構法を採用しています。 地面と基礎コンクリートの間には防蟻・防湿基礎シート「ターミダンシート」を敷き、基礎の外側に張る断熱材には防蟻基礎断熱材を採用しています。
さらに、シートや断熱材の継ぎ目や細かい隙間も防蟻専用のテープや薬剤で注意深く塞ぎ、シロアリの侵入を徹底的に阻止しています。
対策5 換気計画
床下エアコンで調整された快適な温度の空気が、効果的に居住空間全体に行き渡るために換気計画を行います。その際に考慮すべきポイントがいくつかあります。
次に、全般換気の効率化も考えなければいけません。 各部屋に給気口と排気口を設けるのは高コストなので、少ない口で効率的な換気経路を計画します。
局所換気の考慮も大切です。 トイレ・キッチン・浴室などで発生する臭気や水蒸気を効果的に排出するために、局所換気設備を設置する計画です。
換気計画を適切に実施することで、ショートサーキットが発生せずに新鮮な空気が隅々まで行き渡り、快適で健康的な住環境を構築することができるのです。
当社が施工する床下エアコンの特徴
当社の床下エアコンは、家庭用エアコンと24時間全熱交換型換気システム「Sumika」と高効率型小型ファン(送風機)を組み合わせて運用します。
経済的で快適な居住環境を提供するスローライフ住宅設計の床下エアコンの特徴についてご紹介します。
特徴1 家庭用ルームエアコンを使用
特別な業務用エアコンではなく、省エネルギータイプの一般的な家庭用エアコンを1〜2台使って、家全体の空調を調整します。
エアコンで温度を調整した空気を、24時間全熱交換型換気システム「Sumika」と高効率型小型ファン(送風機)を使って家の床下全体に供給。放射熱を利用することで、家じゅう一定の温度環境にすることが可能です。
冬は暖かさ、夏は涼しさを持続させ、24時間365日快適な室温を保ちます。
特徴2 夏も快適に使用可能
万能のように思える床下エアコンですが、近年たびたび発生する酷暑の際、間取り次第では運用方法に工夫と調整が必要となります。
当社ではこれまでの建築実績と経験から、酷暑でも乗り切れる床下エアコンの運用方法を確立しています。
暖かい空気は高いところに集まるという特性上、二階や小屋裏部分は室温が高くなりがちです。当社ではその対処法として、緻密な換気計画を基に、必要に応じて二階廊下や屋根裏に2台目のエアコンを設置をご提案しています。
これにより猛暑時期でも快適な室内環境を維持することを可能です。
お施主様の声
トイレや脱衣所も含めてどこにいても暖かいので、娘はずっとTシャツで過ごしてます(笑)厚手の毛布やパジャマもいらなくなりましたね。
実家の母が遊びに来た時は、床下エアコン以外の暖房器具がないのに、なんでこんなにあったかいのか驚いてました。
夏は本当に快適で、実家に帰るとほんとうに無理…と思って!1週間くらい居ようと思ったけど3日で帰ってきました(笑)
自分の家が本当に快適すぎて湿気がないのが一番いい。洗濯物もよく乾くし、夜干しても朝にはだいぶ乾いている。薄手のやつはほんと乾いているっていうのはありますね。